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「キョン君」 国立K大の校舎にて、二日間行われたセンター試験は、ようやく終わった。俺も長門も、まずは一息だ。 「とりあえず、一度塾に戻って答え合わせをしようか」 「うん。国木田君も来るんでしょう?」 「ああ。いまからメ-ルを送信しておくよ」 国立K大。 ここを目標に決めたのは、俺達の仲間では5人。俺、長門、古泉、涼宮、そして佐々木。 国木田は東大を選んでいた。 「鶴屋さんとは少しの間離れることになるかもしれないけど、合格したら、しっかり勉強してくるよ」 鶴屋さんと朝比奈さんは、現在は地元の武甲河女子総合大学で学んでいる。卒業してからも、北高の俺達の部室に 二人で顔を見せてくれる。 佐々木は、試験のために日本に戻ってきているが、試験会場は新しい親父さんの実家の近くの大学だ。 お互いに試験に集中するために、ここ一ヶ月はメ-ルを少しやり取りするだけにしているが、それでも、早く佐々木 に会いたい、そう思う。約束のあの日、卒業式の日が待ち遠しい。 が、今は目の前の試験に集中するべし。前期日程の日時は2月24日から、そして合格発表は3月6日。卒業式は3月1日。 気が抜けない日が続くが、やはりこの試験には合格したい。そして、佐々木とともに、K大で学びたい。 ”キョン、君と僕の心が変わらなかったら、卒業式の日に、想いを伝え合おう” その約束を胸に、佐々木が側にいない2年間、俺は努力してきた。そうすると、勉強の面白さというものがわかるので、 学習意欲というものが出てくる。 塾や学校で、国木田や長門 、時には涼宮も交えて、良きライバルとして、良き協力者として、俺達は学んで来たのだ。 ちなみに他の仲間や友人達がどういう進路を希望しているかというと、朝倉は鶴屋さんたちと同じ大学、谷口は専門学校 、谷口の彼女の周防はそのまま光陽の大学部に進級するらしい。中河は、スポ-ツ推薦が受けられそうで、また、古泉の婚約 者の橘は、古泉の実家近くにある女子大を希望しているそうだ。 皆それぞれ(まだ合格もしていないが)、道は分かれて、違った未来を歩んでいくが、古泉が言ったとおり、俺達はどこに 行っても大事な仲間だ。 「キョン。解答速報を見る限り、君も長門さんも足切りされるような点数ではないことは確かだね」 「お前もこの点数だったら、まず、第一段階は軽く突破しているんじゃないか?」 国木田と答え合わせをしてみたが、どうやら第一段階は突破しているようだ。 そうこうしているうちに、佐々木、涼宮、古泉からメ-ルが立て続けに来た。 三人とも答え合わせをやったらしいが、どうやら第一段階は俺達と同じく突破したようだ(正式な発表及び平均点発表はまだ 先だが。三日後には中間がでるので、一つの目安にはなる)。 俺も長門も、とりあえず、ホッとする。落ち着いたら、少し腹が減ってきた。 「国木田、今からごはん食べに行かないか」 「あ、ごめん。実はこのあと鶴屋さんと朝比奈さんと食事する約束をしていてね。何でも大学のサ-クルの人たちと一緒らしい んだけど、僕も同席してどうぞ、て言われたんで」 ・・・・・・相変わらず、年上の女性にモテるな、国木田。鶴屋さんとの仲が知れ渡っても、国木田は女子人気が高いのだ。 結局、俺は長門と二人で食事に行くことになった。 「それにしても、入学試験て疲れるよな」 彼ーーキョン君の言葉に、私も頷いた。 「模試をやるのとはわけがちがうからな。高校入試の時も疲れたけど、大学入試は百倍くらいの差がある」 「人生掛かっているようなところがあるからかな」 「確かにそれは言えるかもな」 彼と向かい合ってお喋りしながら、注文した料理を待っている。私達を知らない人の眼には、私達はどんな ふうに見えるのだろう? 食事の後、店の外に出ると、雪が降り始めていた。 センター試験の日は雪が降る事が多いと聞くが、昨日も降って今日の朝も降り、街中といえども雪が解けずに 残っていた。 凍った地面に足を滑らせない様に二人でゆっくり歩く。そんな私達の上に雪は降ってくる。 降り積もるこの雪の様に、彼への想いも積もり、溶けない雪のように彼への想いが消える事もない。 「試験、合格すればいいけどな。そしたらまた皆で大学生活を楽しめるな」 それは私も同じ願い。 もうすぐ佐々木さんは戻って来る。おそらく彼女はK大に合格するだろう。そして、彼の所へ戻って来る。 私だけの彼との時間も少なくなっていくだろう。彼女が居ない二年間、彼の側に一番居たのは私。 本当は傍にいてはいけなかったのかもしれない。でも、後悔はしていない。 彼に信頼されている私。佐々木さんでもなく、涼宮さんでもない、彼の友人としての私。 ‐‐‐---------------------------------ーーーーーーーーーーーーーー ”優希”。彼から与えられた私。彼に愛され、愛した私の姿。 この記憶が私に与えるもの。彼への想い。そして誓い。彼の時はもうすぐ近付いている。 ”未来”が大きく変容している。情報量体の分解・混沌。時空系列のほころび。 情報統合思念体が”力”の保持者、”鍵”、そして私達を観察し、出した結論は―― おそらく天蓋領域の出した結論も同じ答え。『周防九曜』、そして『朝倉涼子』。 異なる情報生命体が同じ進化を遂げるならば、その答えは言うまでもない。 終わりの時、そして始りの時がやってきたのだ。 ----------------------------------------------ーーー 彼は、いつものように、私をマンションまで送ってくれた。 「それじゃ、長門。今日はお疲れ様」 「お疲れ様」 「残りの試験頑張ろうな」 「うん」 雪の中を帰る彼の姿を、私はしばらく見送っていた。
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佐々木敏をお気に入りに追加 くちこみリンク1 #blogsearch2 Amazon.co.jp ウィジェット キャッシュ 使い方 サイト名 URL くちこみリンク2 #technorati 報道 注目の武兄弟タッグ、阪神JF&香港GIにフォーカスイン! - サンケイスポーツ 「EUREKA/エウレカセブン」ついに公開!宮野真守や下野紘らキャストコメントが続々到着(アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 成分解析 佐々木敏の86%は黒インクで出来ています。佐々木敏の5%は利益で出来ています。佐々木敏の4%は知識で出来ています。佐々木敏の4%はカテキンで出来ています。佐々木敏の1%は情報で出来ています。 ウィキペディア 佐々木敏 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ 佐々木敏 このページについて このページは佐々木敏のインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される佐々木敏に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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刺激に満ちた、楽しくも大変な日々とも今日でお別れだ。最も、彼が涼宮さんと恋人同士になってからは、閉鎖空間 が発生することはなく、「機関」もその役目を終え、僕は「機関」を解散することにした。 今、涼宮さんにがあの”力”を発揮することはない。彼女は今や普通の少女――もう少女という言葉は卒業する時期だが― ―でしかない。あの明るさと活発さはそのままだが、不思議な事が起こることももうない。非日常は終わりを告げたのだ。それに 合わせるように、涼宮さんはSOS団の解散を告げた。 僕は彼女を好きだった。その想いは伝わることはなかった。 彼は僕の想いを知っていた。彼はなかなか鋭い男だ。それでも、彼は僕を親友だと言ってくれた。彼以上の親友は、これ から先、そう現れることはないだろう。 卒業式のあと、元団員や、国木田君、谷口君、それに橘京子も加えて、僕等は卒業記念パーテイを行うことにしていた。 橘京子。かつて、僕等の”機関”と対立し、彼の”親友”佐々木さんを”神”とした能力者。 あの事件のあと、彼女の組織は消え、ただの一人の女子高生に戻った橘京子。どういうわけか、その後、紆余曲折を得て、 僕と橘京子は付き合うようになってしまった。世の中おかしなものだ。 彼女は、彼の親友、佐々木さんとも友人として付き合っていた。 あの春の事件のあと、佐々木さんは彼女に告白したという彼女の学校の男子生徒と交際したというが、すぐに分かれてしまった そうだ。その前に同窓会があり、彼と再会したそうだが、おそらくそれが影響しているのだろう。結局、卒業するまで、佐々木さ んには彼氏はいなかったそうだ。 正直、僕はいつも疑問に思っている。なぜ、佐々木さんではなく、涼宮さんだったのか?彼から涼宮さんとの馴れ初めを聞いた 事があるが、明らかに未来人の介入による割合が大きすぎるのだ。 彼ら未来人勢力が過去に、現在の僕らに介入する事に、僕は不快感を持っている。他人の手のひらで踊るのは好きじゃない。 そんなことを考えながら、集合場所である北高の校門前に向かっていると、一人でいる涼宮さんの姿が目に入った。 「?」 何か様子がおかしい。かなり慌てた様子だ。 「涼宮さん?どうされましたか、彼と一緒じゃないんですか?」 僕が声をかけると、涼宮さんが振り向いた。その顔が青くなっている。一体何があった? 「古泉君、キョンが消えたの!」 「消えた?彼がですか?」 「そう、いきなり。何が起こったの?ほら、キョンの友達とかいう佐々木さん?。彼女が現れたかと思うと、キョンと一緒に 煙みたいに消えたの、一体、これはどういうこと?」 かなり涼宮さんは焦っている。それに、どうして、佐々木さんがここに出てくる? 「!!」 突然、僕の頭に膨大な情報が流れこんでくる。この感覚は、前に一度味わっている。 二年の春先。二つに分かれた世界。融合した記憶。そして・・・・・・ 「涼宮さん!」 突然、目の前で、涼宮さんが倒れる。 「涼宮さん!」 慌てて抱き起こすも、涼宮さんが何故か眠っているだけだとわかり、少しホッとする。 ”誰のしわざだ” 何者かの、おそらく未来人か宇宙人関係か。流れ込む分裂した世界の情報が彼女に流れ込まないにしたのか。 と、同時に、僕は目の前にあるモノが存在していることに気づく。 「閉鎖空間・・・・・・」 久しぶりの感覚。だが、すぐにそれが少し違う事に気づく。 ”佐々木さんの閉鎖空間だ” もうひとりの”力”の器。神たる存在。 そして、この中で、何かが起きている。感がそう告げている。だが、僕には確認出来ない。ここに入れるのは、ただ、一人。 スマートフォンの画面を操作し、一番に登録している名前を表示する。 「橘さん。古泉です。すぐに集合場所に来てください。緊急事態です!」 橘京子はすぐに来た。どうやら近くまで来てはいたらしい。 「何かあったんですか、一樹さん」 その呼ばれ方に違和感を感じる。付きあっているとは言え、いつも”古泉さん”と呼ばれ、”一樹さん”と 呼ばれた事は無い。だが、すぐに納得する。あの世界の記憶――僕と京子が幼馴染であり、婚約者である世界 ――が彼女にもあるのだ。気のせいか、彼女の、僕を見る目が熱を帯びている様に見える。 「京子さん、これが何か解りますか」 あの世界の僕の様に 、京子と呼ぶ事は、まだこの僕には無理だ。二つの記憶がミックスされるというのは、厄介な ことなのだ。 京子の顔色が不安なモノに変わる。 「閉鎖空間……佐々木さんの、でも。変です。こんなに荒れ狂って禍々しいエネルギーを感じるのは初めてです。 中で大変な事が起こっているのかも しれない、急いだ方がいいです!」 僕の不安は的中したようだ。 「京子さん、すぐになかへ連れて行って下さい。お願いします」 僕は彼女の手を握り締める。 「任せて下さい!」 何故か嬉しそうに、京子はそう言って、彼女の”能力”を発揮した。 「きゃああああああ!!!!」 「うわあああああああああ!!」 すざましいエネルギーの衝撃波を浴びて、僕らの体がはじき飛ばされる。 京子の体を掴み、かき抱いて、彼女が地面に叩きつけられる衝撃を、かろうじて和らげる事ができた。 ”閉鎖空間が破裂した” そう表現するのがぴったりくる。溜められていたエネルギーが、一気に解放されたのだ。 ”なんて、エネルギーだ。神人の比じゃない。まるで世界を破壊しかねない威力だ” 気を失う寸前、そのエネルギーの中心に、佐々木さん、そして倒れている彼の姿を、僕は視界の隅にとらえていた。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- 人の体の温かさを、彼のたくましさと優しさを、私は全身で受け止めていた。 目を開けると、中河君の寝顔が視界に入って来る。普段は男らしいのに、今の寝顔はまるで子供のようだ。思わず、 私は笑みをこぼした。 卒業式の後、二人で待ち合わせ。夜にある文芸部兼SOS団の卒業パーティまで時間はたっぷりあった。 いまごろ、キョン君は佐々木さんと校門で再会しているだろう。二年前の約束。離れていても、二人の想いは変わら なかった。 嬉しいと思う反面、長門さんの事を思うと、少しだけ悲しい気持ちになる。 佐々木さんのいない二年間、キョン君の側に一番いたのは長門さん。涼宮さんもキョン君に猛アタックしてしていた けど、残念ながら、想いは通じなかった。長門さんはキョン君の信頼を得ているけど、あくまでも立場は友人。恋人じ ゃない。 ”!!” 私の頭に情報が流れ込んで来る。膨大な記憶、別の世界の、本来の私の姿。融合する世界。 ”ああ、そうか。実験は終わったのか” 自律進化の過程。情報統合思念体、天蓋領域。二つの陣営が興味を持ち、異常な関心を寄せた事例――長門有希の進化 。彼女の変容が、情報生命体の未来に重大な示唆を与えていると考えた彼らは、有る実験――そう表現するしかない―― を行う事を決めた。そして、天蓋領域・周防九曜、情報統合思念体・長門有希、喜緑江美里、そして私、朝倉涼子は、この 世界へ組み込まれた。 情報生命体でもない、ただの人間、ただの女子高生。その世界で、私達は楽しく、時には切なく、彼らと同じように学生 生活を送り、人を愛したのだ。 だけど、いつかは終わりが来る。この世界にさよならを告げる時が来たようだ。 私はまだ眠っている、中河君の額に手をあてる。 ”情報操作開始” この世界での出来事を、彼の融合した記憶から消して、記憶情報の書き換えを行う。彼は元の世界では、私達 情報生命体にアクセス可能な能力を持っていたらしいが、それは長門さんにより消失させられた。この世界では 私達同様、ただの高校生だ。 彼が私に一目ぼれをしたのは、本当に偶然の出来事。それ以来、私と彼は交際を始め、今や恋人の仲だ。 でも、それも今日で終わりだ。世界が完全に融合した時、彼の記憶から、私との思い出は消失している。 私の目から、涙があふれて来る。 彼との時間。大切な記憶。人間の女子高生として、友人として、恋人としての時間。かけがえのない想い出。 男の子の部屋にしてはキレイに整理され、掃除が行き届いた彼の部屋。何度もお邪魔した彼の部屋。 それらを、そして彼を愛した時の記憶を私は刻み込む。 ”長門さんが呼んでいる” 緊急事態の呼び出し。何か異常が発生したらしい。ひどく胸騒ぎがする。 情報操作終了。いよいよ、彼とはお別れだ。”実験”が終了したいま、私自身、また地球上に派遣されるかどうか も分からない。情報統合思念体に取り込まれ、分析されたまま、そこで終わるかも知れない。私はまだ、長門さんみ たいに、自律進化したとは言えないからだ。 ”中河君” 彼の名前を呼ぶ。そして眠ったままの彼にキスをする。 私はその場から姿を消した。 ---------------------------------------------------- 「一体何がおこっているの!?」 非常事態。この場に突然出現した朝倉涼子の問いに、そうとしか答えようがない。 私――長門有希、喜緑江美里、そして朝倉涼子。三人とも、今の状態には手も足も出せない。 強烈な破壊と怒り、そして悲しみに満ちた、暴走状態の次元エネルギーの噴出。すでにいくつかの時空間が消滅し、 時間軸が崩壊している。 未来人による改変、涼宮ハルヒと佐々木による時空改変により、この時間軸には歪んだエネルギーが蓄積し、それは ”不胎介入化(活用されず、蓄積化する事)”し、なんらかの作用が有った場合、一気に活性化し、膨大なエネルギー 奔流をうみだし、時空間に多大な影響をもたらす。 その危険な状態が、いままさに進行していた。 そして、その中心にいるのは、”力”の行使者にして”扉”――佐々木と、”鍵”たる彼。 彼は死にかけていて、彼女は彼の体にすがって泣き叫んでいる。それが、彼女の”力”を暴走させ、次元崩壊を引き起 こしている。 ”一体、何がおこった?” 「!!!」 私達三人の前に、突然、姿を現したのは、天蓋領域の情報端末、周防九曜だった。 周防九曜。自律進化の謎を解く為、我々と共に、佐々木の世界へ送り込まれた、情報生命体。我々と同じように 普通の人間として過ごし、人を愛した。 その彼女から、我々に情報が送りこまれる。 「!!」 彼と佐々木の身に何がおこったのか、瞬時に理解する。改変工作により自らの未来を作り上げた未来人たちは、 その時間軸を守ろうとして、致命的なミスを犯したようだ。おそらく、この時間軸は崩壊する。未来人たちは、 皮肉なことに、未来を守ろうとして、自ら滅びの笛を吹いたようだ。 「なぜ、彼を助けなかった。彼が死ねば、佐々木を止める力は消滅したも当然。このままでは世界は崩壊する。 我々情報統合思念体も天蓋領域も無事には済むまい。崩壊の軛からは逃れることは出来ない」 「私には出来ない。私の力の行使に対し、天蓋領域本体より枷が掛けられている。試みたが、行使出来なかった。 あの破壊エネルギーから逃げるのが精一杯だった」 「天蓋領域は滅びを望むと言うのか」 「おそらくそうだ。我々を観察し、自律進化を調べていた天蓋領域は、進化の果てが滅びと結論付けた。無限が 有限に代わり、すべてが消失する虚無の定めからは何者も逃れることは出来ない。人と交わることにより、進化を 遂げた者は、人として終わりを迎える。その結果、天蓋領域は滅びの定めを受け入れたようだ。それに伴い、私も消滅 する」 そう言って、周防は自分の左腕に眼をやり、少し悲しそうな顔をする。 手首に巻かれた時計。彼女を愛した谷口が彼女に送ったもの。何も言わないが、その時、周防の悲しみが私にも理解 できた。 天蓋領域側はともかく、情報統合思念体は沈黙したままだ。むざむざ滅びるつもりはないようだが、今の状態では誰も 佐々木の破壊エネルギーに手は出せない。ちかづけば、我々は消滅する可能性がある。彼の命の火は消えつつある。そう なれば、本当にあらゆる時空間が滅亡する。 ”!!!!” 誰かが、破壊エネルギーの中心部に向かって飛んでいく。彼と佐々木がいる所へ。 「優希!」 人間としての私。彼に愛され、愛した私が生み出した、自律進化の生命体。あの世界で彼と共に過ごしたもう一人の私。 彼女は世界が融合した時に、私の中に取り込まれて、バックアップとして保存されていた。その彼女が私の意志より独立 して目覚め、動き出したのだ。 「優希!やめなさい、あの破壊エネルギーの前ではすべてのものが消滅してしまう!貴方も消えてしまうのよ!」 「私はどうなってもいい!キョン君を助ける、絶対に!」 すべての力を振り絞り、優希は破壊エネルギーに抗らいながら、彼のもとへ、近づいて行く。 キョン君の元にたどり着いた時、私の姿は人間としての形を保てず、情報生命エネルギー体の姿になっていた。 キョン君の命はまさに尽きようとしていた。 私のエネルギーも後少しで消えようとしている。急がなければ。早く彼を助けないと。 ”?” その時、私はある物に気付いた。金属の棒。未来人の道具。それにはキョン君の生命情報が刻んであった。 ”そうだ、これを使って、私のエネルギーを、キョン君の生命情報エネルギーに増幅変換すれば、彼を助けられる” 彼と共に生きた世界。私が愛した彼が生きた世界。彼の命と共に、私はすべてを守る。 図書館での出会い、文芸部、シャミセン、夏休み旅行、恋愛小説、体育祭、学園祭、二人で行った大学、彼からもらった プレゼント、クリスマスの事、色々な思い出、一緒に受験して、四月からは一緒に大学生になる―― すべての事が一瞬にして蘇ってくる。 ”さようなら、キョン君。私が大好きな人”
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トヽ、 ,ィ'⌒`ヽ. ./;;;;;;;;; / ,、 __......_ ヘ◇ 'ィ `!i ∧. /;;;;;;;;; / | `ヽ、_,ィニ´..... `ヾ∨<.__j ! ∧. /;;;;;;;;; /.ト---.、i!ト、 . ‐=三三メ∧ヾ、´ ∧/;;;;;;;;; /.∨、. i||ili!. 、 . | 彡". ;彡"ノ ハ 、\ ∧;;;;;;; / ∨、 i|!ili!. .ヽ i! ;' ;彡' 彡' ;i i i ヽ' ∧/. ∨ヽ|!'"´ヘ ,. . | ‐=彡'. 彡;i i | 、 ∧ ! ゙i _∨_; . ∨ ;ゝ、彡' ; ' /; !;;∨ ∧ ∨ | _,/_,イ、 . ∨´';ヽ / / / 'ノ;;; ∨ ∧ ∨`y'ィ'ソ' ヽ. ヘ、 /. ' / // ∨ ∧. ! ノ ヽ トヘ、 /. ∨ ∧. |/ ヽ l ゛゙ヾソ;、 ∨ ∧ !`ヽ、,-‐' |! l ヘ、__. ∨ ∧ | . `、 |! | _,,..=='‐―‐| ∨ ∧ | ハ__,.'´! l´ ,;,;|_ ∨ ∧ | |;;;;; /,;i! ! ,;,;ィ、 ヽ._ ∨ ∧ ; |/ |i .|! ノ ヘ∨ .\. ∨ ∧ /i! !. |l .! i! /'. ヽ.、 ∧. ∨ ∧ /、\i! i | ,!! .' | /. ;ゝ-‐'¨`ヽ∧. ∨ ∧/|\/ i!'! i゙i! /.' リ' ;ィ'''"´、 ヽ. `\;;;;\ ∨ ∧;;;;;|/ | ゙ ! i!/.' r‐i / ヽ'´ \ ヽ;;;;;〉 ∨ ∧/ ! !./.' |[|| / _メヽ. \ ヽ'. ∨ ∧ i==‐7メ__ ./ / ヽ. \. ∨ ∧ | /.'![|| ./、 ノ \ ∨ ∧. | /.' ゙iメ ./;i \ ヽ∨ ∧ | /.' ゛ ∨;;;| \ i `ー―.、 ∧┏━━━━━┓┃ステータス┣━━━━━╋━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━┳━━━━┳━━━━┓┃分類:鬼神 .┃種族: タケミナカタ ┃個体名:佐々木小次郎 .┃Lv:27 ....┃属性:L-C┣━━━━━┻━━━━━━━━┻━━━┳━━━━━━┻━━━━┻━━━━┫┃力:25 魔:15 体:18 速:25 運:15 ┃HP:248/248 MP:124/124┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃耐性┠───────────────────────────────────┨┃【物理】50% .【電撃】弱点┃【銃撃】 【疾風】50%┃【火炎】 【破魔】50%┃【氷結】50% .【呪殺】50%┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃スキル┠────────┬─────┬────────────────────┨┃ガルーラ | 消費MP6 .|敵単体に強力な疾風属性攻撃┃一閃 | 消費MP8 .│敵単体に強力な物理属性攻撃┃反撃 │ │物理、銃撃属性攻撃を受けた時、確率で反撃┃追撃の心得 │ │弱点を突いた時、威力が倍増┠────────┴─────┴────────────────────┨┃固有スキル┠──────┬────────────────────────────┨┃明鏡止水 │使用してから3ターンの間、精神異常にならない┃ │このスキルは一度の戦闘につき、一回のみ使用可能┗━━━━━━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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正面から父親と話すのも久しぶりだ。病み上がりのせいかどうかわからないが、少し痩せたように思う。いかつい 顔はかわらないが。この顔を受け継がなくて、そのあたりは母親に感謝したい。 「心配をかけたな」 「いえ・・・・・・無事に回復してよかったですよ」 「これからは少し節制しないとな。今まで通りにはいかんだろうから」 大病をして、少しは反省をした様子だ。豪放さが父の売りだが、それも落ち着くだろう。 「話というのはだ、実はお前と京子の婚約を解消することにした」 一瞬、父の言った言葉に、自分の耳を疑った。 「京子本人から申し入れがあった。お前との婚約を白紙に戻して欲しいとな」 「待ってください、一体どういうことです?」 お互いの両親達により、僕等は婚約者とされた。こちらの意見も聞かず、勝手に話を決めたことに、僕は反発して 家を出た。 「京子から言われたよ。『おじさまたちの気持ちはわかりますが、一樹さんの未来は一樹さんの意思により決めら れるべきです。一樹さんの意思を尊重してあげてください』、とな」 「京子がそんなことを・・・・・・」 「京子はお前のことを本当に大事に思っているんだな。親よりも余程しっかりとお前のことを見ている」 小さい頃より一緒に育った仲だ。お互いのことはよく知っていると思っていた。 でも、京子がそこまではっきりと物を言うとは思わなかった。 日が沈み、ようやく暑さが衰えてきた黄昏時、庭に虫の鳴く音が響いていた。 縁側に腰掛け、その音を聞きながら、ぼんやりと昼間の父の言葉を思い返していた。 「古泉」 森さんが僕を呼ぶ声で、僕は回想を破られた。 「ちょっと一緒に来なさい」 「どこへ行くんですか?」 「いいから付いてきなさい」 言葉に有無を言わさぬ迫力がある。年齢不詳の美人だが、こういう時の森さんは少し怖い。 「少しドライブするわよ」 BRZに乗るたびに思うのは、この車が森さんにピッタリあっているということだ。自分の手足のようにこの車を使 いこなしている。 「話は聞いたわよ。橘さんも思い切ったことをしたわね」 父の優秀な秘書としての顔ではなく、森園生というひとりの女性として、森さんは微笑みながらそう言った。 「あなたの婚約者に決まった時、誰よりも喜んでいたのはあの娘だったわ。光陽に転入するとき、『一樹さんの傍 に行けるので嬉しいです』なんて言っていたのを覚えているわ」 「今じゃ休みの度に僕の家でくつろいでいますよ」 「でも、そのことは嫌じゃないんでしょう?」 確かに森さんの言う通りだ。昔みたいに京子が側にいるのが当たり前のような、そんな気さえしている。 開けた車窓から入ってくる、海から吹く夜の浜風はかなり心地よかった。この時期は海岸でいちゃつくカップルの姿 が目立つが、今日はほとんど姿が見えない。 「古泉。自分の未来は自分の意思でもって決めなさい。橘さんがあなたのくびきを取り払ったのだから、あなたがこ れから先どうするか、よく考えて行動しなさい」 森さんの言う通りだった。京子は僕と両親の間の緩衝材になってくれたのだ。 それから四日後、僕は京子と一緒に自分の家に戻った。 文芸部(SOS団)の今年の旅行は、去年と違い、今年は山へ出かける事になった。メンバ-は文芸部とSOS団 の部員(団員)、中河君に”彼”の妹さん、お払い箱になったはずの谷口君(”彼”が誘い、鶴屋さんがOKを出した )とその彼女の周防さん、そして京子。それからもう一人は言うまでもなく、”彼”の恋人、佐々木さん。 夏休みに入り、佐々木さんはインドネシアから帰ってきて、”彼”の家に二週間滞在するとのことだった。 「本当はキョンの家に夏休みの間全部いたいのだけど、そういうわけにもいかないから」 もちろん、旅行先でも、彼の横は佐々木さんの指定席だった。 「ちょっと、佐々木さん。少しひっつきすぎじゃないの?」 多いに不満顔の涼宮さん。 「そうかしら、でも、最近部室ではキョンの横はいつも涼宮さんが座っていると聞いているけど」 「べ、別にいつも、てわけじゃないわよ。優希が隣に座っていることだって多いんだから!」 2人のやり取りをきいて、全員苦笑する。 ”彼”は少し困った顔をしている。 「お家でも、佐々木のお姉ちゃんはいつもキョン君の部屋にいるもんね。寝ている時ぐらいだよね、別々にいるのは 。あ、でも、朝にキョン君を起こしにいくのは佐々木のお姉ちゃんか」 妹さんは無邪気に爆弾を投下した。 「古泉君、楽しんでいるかい?」 高原の風が吹く山のホテルの中庭でくつろいでいると、鶴屋さんが声をかけてきた」 「はい、おかげさまで。すいません、いつもいろいろお世話になりまして。今回は京子までお世話になりまして、 ありがとうございました」 「あの娘は古泉君の幼馴染かい?かなり仲がよさそうだったが」 「はい。親同士が親友で、京子とは小さいときから一緒に育ちました」 「ふうん。そうかい、良い娘さんだね、あの子は」 「はい。僕もそう思います」 「ねえ、古泉君。もうすぐ私もみくるも北高を卒業するっさ。卒業したら、みんな別々の道を進むかもしれないし、 同じ道を進むかもしれない。それでも北高で出会えた仲間たちは、一生の宝物だと思うんだな。だからこそ、私は皆と 楽しみたいのさ。もしかしたら、将来、共に力を合わせて行動する日がくるかもしれない。そういう時がきたら、これ 程心強い仲間はいないよ」 「国木田君のようにですか?」 鶴屋さんの表情がほんのり朱色に染まる。 「国木田君は、私が共に同じ道を歩きたいと思った男性さ。私の為に、私の横に並ぶのにふさわしい人間になりたい と言ってくれる。そこまで言ってくれて、行動してくれるのは国木田君しかいないのさ。小さいころから国木田君は私 だけを見てくれた。これから先も私が一緒に居たいと思うのは国木田君だけだね」 クリスマス会の時、鶴屋さんはおそらく次期当主としての決意を固めていたのではないか。だからこそ、国木田君を 公の場に同伴させたのではなかろうか。 誇らしそうに国木田君への思いを語る鶴屋さんの横顔が、眩しく輝いて見えた。 二泊三日の旅行を終えて家に戻ってきた後、僕は実家に連絡を入れ、京子と共に戻った。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 実家に戻った後、僕は改めて京子と婚約をした。今度は親が決めたのではなく、自分の意思で京子と婚約をした。 「京子の伴侶としてふさわしい男になるように、これから精進していくつもりです」 京子の両親に僕は頭を下げて誓った。 そして、もうひとつ。僕は決めた事があった。 それは北高を去り、実家に戻り、後継者としての修業を積む事だった。 「お前が夏休みが終わる前に、転校すると聞いたときは、さすがに驚いたんだが・・・・・・俺たちと旅行に行った時、 既に決めていたのか?」 「ええ。いろいろありましたが、京子の行動、鶴屋さんの言葉、いろいろ考えて、最終的に自分でそう決めました 。僕が進むべき未来、やらなければならない事、自分の責任において選択した道でした」 「そうか・・・・・・」 京子が入れてくれたお茶を飲んで、”彼”はしばらく沈黙した。 「正直、北高の皆さんと別れるのは寂しかったですが、でも、あなたと涼宮さんが僕に言ってくれたように、僕が 皆さんに言ったように、どこにいても、僕は仲間ですから」 「そうだな。お前の言う通りだよ。俺達はずっと仲間だよ」 ”彼”は笑顔で頷いた。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- 北高を去る一日前、僕は涼宮さんと二人だけで、遊びに出かけた。 いつも、SOS団(文芸部)で出かけことが多くなっていて、二人だけで外出するのは久しぶりだった。 中学二年生の時、僕は東中に転校して、そこで涼宮さんと出会った。 そのころの涼宮さんは「変な女」として扱われていた。美人だったので、言い寄ってくる男子生徒はいたが、取り あえず付き合ってはみるものの、全部振ったということでかなり有名だった。あの谷口君も振られた一人で、噂による と、5分で振られたという話だ。 そんな涼宮さんだったが、真っ先に僕に声をかけてくれて、クラスに溶け込めるようにしてくれたのは彼女だった。 僕は彼女と友人となり、やがて彼女に心惹かれた。 僕の心が彼女に届くことはなかったけど、今はそれも良い思い出だ。彼女を好きになったことを僕は誇りに思う。 「古泉君、たとえ離れても、私達はSOS団の仲間で、そして古泉君は私にとって、最も信頼出来る親友だから」 その言葉だけで、僕は充分だった。終わった過去の思いを伝える必要はもうない。 ”さようなら、涼宮さん” -------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「そうか、結局、お前は涼宮に想いを伝えなかったんだな」 「ええ。京子と自分の意思で婚約した時、既に涼宮さんに対する気持ちは過去のものでした。今の僕には思い出の一 コマです」 「橘との未来か・・・・・・」 「あなたと佐々木さんとの未来も楽しみですね」 僕の切り返しに”彼”は苦笑した。 「ところで、あなたは進路はどうされるおつもりですか?」 「そうだな。いろいろ考えているんだが、国立K大、あそこは教養課程が充実しているだろう?入学後はまず、すべ ての学生は教養過程を履修して、それから専門課程に進むそうだが、その途中で進路変更が出来ると聞いた。可能性を 広げるためにな。俺はK大を受けてみようと思っている」 「佐々木さんはどうされるんです?」 「佐々木も受けてみたいと言っていたな。まあ、あいつは東大でもハーバートでも通るとは思うがね。ただ、K大は、 理数系に関しては東大を上回る学部も多いからな。長門も受けてみたいとか言っていたな。前に一緒に行った時、設 備が整っているのに感激していたしな。下手すりゃ涼宮や国木田も受けるかもな」 長門さんは”彼”に対する気持ちもあるのだろう。佐々木さんが日本にいない今、”彼”が最も信頼している友人は 長門さんで、彼女も”彼”のことを大いに信頼している。 単純な男女の恋愛感情だけでなく、”彼”と佐々木さんとの繋がりとはまた違った結びつき。 人の繋がりは、いろいろな形があるのだ。 ”それにしても・・・・・・” もし、彼らがK大に行くのであれば、僕はまた皆と一緒に学ぶことになるかもしれない。 より強い、新しい絆の糸が、僕等の間に再び結びつきますように。 そんなことを心の中で僕は思った。
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佐々木綾美をお気に入りに追加 佐々木綾美とは 佐々木綾美の38%は不思議で出来ています。佐々木綾美の33%は微妙さで出来ています。佐々木綾美の22%は勇気で出来ています。佐々木綾美の7%はビタミンで出来ています。 佐々木綾美@ウィキペディア 佐々木綾美 佐々木綾美の報道 gnewプラグインエラー「佐々木綾美」は見つからないか、接続エラーです。 佐々木綾美をキャッシュ サイト名 URL 佐々木綾美の掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る 佐々木綾美のリンク #blogsearch2 ページ先頭へ 佐々木綾美 このページについて このページは佐々木綾美のインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される佐々木綾美に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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佐々木「けしからんね。こんなキョンは、まるでホストか何かじゃあないか。 キョンのよさは外見的に女性の気を引くような部分にはない。 ああいや、君が不細工だと言っているんじゃないから安心したまえ。 むしろ僕の審美眼では君が基準だ。あとの男性は親族以外、 みなカボチャも同然だ。美しかろうが醜かろうが、そのことに意味がないんだ。 ああ、話がそれたね。 つまりキョンの魅力は、あくまでその内面性と、それがにじみ出ることによる外見 にあるのであって、このように一部商業的ターゲット向けに 歪曲されたキョン像が流布するというのは、一番近くで君を見てきた 僕からすると、耐え難いことなんだよ。 というわけでこのテレカは僕がすべて没収・回収しておこう。 なに、友人として当然の責務だ。気にしないでくれ、キョン」 (ここまでのセリフを3秒で)
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佐々木リナをお気に入りに追加 佐々木リナのリンク #bf Amazon.co.jp ウィジェット 佐々木リナの報道 映画公開70周年記念!『雨に唄えば』シネマオーケストラコンサートが2022年3月、東京で開催決定! - PR TIMES 佐々木リナとは 佐々木リナの52%はお菓子で出来ています。佐々木リナの30%はハッタリで出来ています。佐々木リナの10%はむなしさで出来ています。佐々木リナの6%は嘘で出来ています。佐々木リナの1%は勢いで出来ています。佐々木リナの1%は純金で出来ています。 佐々木リナ@ウィキペディア 佐々木リナ Amazon.co.jp ウィジェット 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ 佐々木リナ このページについて このページは佐々木リナのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される佐々木リナに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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ep.04 彼女の想い (side sasaki) 目覚めたのはベッドの中だった。遮光カーテンのせいで部屋は暗い。枕元の時計を見るとまだ五時過ぎだ。 私は昨日彼が買ってくれたパジャマを着ていた。彼がベッドに運んで、朝倉さんが着替えさせてくれたのだろうか。 床に敷いてある布団は空だった。寝具は乱れておらず、そもそも人が寝ていた形跡が無い。 喉の渇きを覚えた私はよろよろとベッドを降りてキッチンに向かう。 昨夜の頭痛は治まっていたが、頭の中に靄がかかっているようで、状況をはっきりと認識できない。 キッチンのライトをつけ、勝手に冷蔵庫を開けさせてもらう。麦茶があったので台所においてあったコップに注いで喉を潤す。 これは昨日彼の家で飲んだものと同じだ。してみると、あの麦茶も朝倉さんが作ったものなのだろう。 ただの友人がわざわざ家に来て麦茶を作って冷やしておいてくれるとは考え難い。 やっぱり、彼と朝倉さんはつき合っていて、もしかすると男女の仲なのかもしれない。 友人だの護衛だのというのは、私を安心させるために言ってくれただけなのかも。こんな私なんか…… どうも私は一度ネガティブな方向へ思考が向くと際限なく負のスパイラルに墜ち込む人間のようだ。 いけないいけない。今は彼の言葉を信じて、いつか私が昔のことを思い出したら、また彼と一緒に…… 私は何気にリビングの方を見た。そして、早朝に目覚めた自分を呪った。 リビングにあったソファーがマットレスのように展開されていて、そこに彼が寝ていた。 その隣には彼にぴたりとくっついて朝倉さんが寝ている。広がった豊かな黒髪に隠されて顔の部分は見えないが、 覗きに行く勇気は私には無かった。 やっぱりそうなんだ。嘘つき。私には色気も胸も、ついでに記憶も無い。こんな私よりも朝倉さんの方が良いに決まっている。 私は何を期待していたんだろう。私の彼氏だったなんてうまいことを言って、きっと私を何かに利用しようとしているに 違いない。どうして? 何故? また頭の中がぐるぐるしてきた。 空になったコップをキッチンの台に置くと、カタンと意外に大きな音を立ててしまった。そのせいか、朝倉さんがぴくっと 動き、素早い動作で起き上がってこちらを見る。 私は逃げようとしたが、目が合ってしまい動けなくなった。朝倉さんも、しまったという表情でこちらを見ている。 私は何か言おうとしたが、口が動かない。ついでに体も動かない。朝倉さんは立ち上がるとこちらに向かって歩いて来る。 嫌だ。来ないで。 「本当にごめんなさい」 寝室のカーペットの上に座った朝倉さんが頭を下げる。ベッドに座った私は、何も言えないままそれを見ていた。 「本当に彼との間には何も無いの。わたしが一方的に好きなだけ」 「信じられません。だって、二人はどうみても以心伝心だし、お似合いじゃないですか」 何をしていたかは質問できなかった。口にすることで自分が惨めになりそうだから。 朝倉さんはふるふると首を振った。 「そう見えるのは嬉しいけど、本当に何も無いの。でも……」 朝倉さんは眠っている彼にこっそりキスしたことまでは認めた。だが、彼に何かそういうことをしてもらったことは 無いのだとも言う。全く信じられない。 「それはね、キョン君の中にずっと佐々木さん、あなたがいたからなの」 「私が?」 「そう、キョン君は自分にだけ残されたあなたの記憶をとても大切にしていたの。わたし達がこれまで解析して 判明した彼の特殊な能力のひとつがその記憶の保持なの。わたし達の仲間に喜緑さんという主に事件の後処理担当の インターフェースがいて、彼女は極めて高い情報操作の能力を持っているのだけど、その彼女をもってしても彼の 記憶には手が出せなかったそうよ。彼はあなたが消える前に情報操作をしたと思っているけど、本当は違うの。 キョン君は自分が能力的には一般人だという信念があるから、わたし達がそうだと言っても笑って取り合ってくれない でしょうけど」 「彼の能力については理解できましたけど、もし朝倉さんのことを本当に好きではないのなら、もっとつれない態度をとる べきだと思うんです。私が見た限り、彼はあなたにとても優しいと思いますけど」 朝倉さんは淋しそうに微笑む。 「それはね、キョン君のもう一つの特殊能力のせいなの。彼はどんな属性の相手であれ、ありのままを受け入れ、 普通に接することができるのよ。涼宮さんや昔のあなたのような世界改変能力者、長門さんや私のような宇宙人、 それに未来人や超能力者でも怯えたり恐れたりせずに普通に接してくれるの。普通の人間であれば抱くであろう 感情を彼は持たないのよね。ただ、彼は女心には極めて鈍感なくせに紳士的でもあるから、彼に好意を抱いた 特殊な属性をもつ女の子達は苦労しているのよ」 朝倉さんの話は私を元気付ける内容ではなかった。私も特殊な属性を持っていたらしいが、今は認識できない。 それに彼の周囲には朝倉さんに勝るとも劣らない女性達が何人もいるようなのだ。 その中で私が選ばれた理由が分からない。記憶が戻れば分かるのかもしれないが、分かることが怖いような気もする。 「だから佐々木さん、あなたはキョン君を信じて、キョン君の傍にいてあげて。わたしのことは気にしなくていいから」 朝倉さんはにっこりと笑みを浮かべる。でも、私にはその笑みがひどく悲しいもののように思えてならなかった。 「朝倉さんは本当にそれでいいんですか?」 朝倉さんの笑みが消えた。 「佐々木さん、あなたって優し過ぎて残酷だわ」 朝倉さんはそこで言葉を切ると、目を伏せて一気に想いを吐き出し始めた。 「それでいいわけないでしょ。本当はわたしだってキョン君のこと大好きなんだから。誰にも渡したくないって思ってるん だから。せっかくこうしてキョン君と二人でいられるようになったのに、あなたが現れたらキョン君はあなただけを見て しまう。キョン君の傍にわたしの居場所はなくなってしまう。そんなのは嫌なの。わたしがそんなことを言う資格がない のは分かっているけど、でもどうしようもないの」 「……」 朝倉さんが本当に彼のことを好きなのは痛いほど分かった。彼女は宇宙人かもしれないが、その感性と感情は人間の 女性と変わらない。いや、これほど一途に素直に自分の気持ちを吐露できる人間の方が少ないかもしれない。 私はどうなんだろう。今の私には彼との記憶がない。彼は今も私のことを愛してくれているのだろう。けれども、今の私の ぼんやりとした頭では彼に対する気持ちもぼんやりとしたままだ。 朝倉さんは袖でごしごしと涙を拭った。 「ごめんなさい。取り乱したりして。わたしはクールでさばけた性格のインターフェースとして構成されているはずなの。 だからこんなになるのはおかしいのよね。わたしってやっぱり不良品なのかな」 私は思わずベッドから降りて朝倉さんの手を取っていた。 「朝倉さん、今の私には記憶が無いから自信がないの。もし私がこのままだったり、記憶が戻っても前のように彼に 接することができないのなら、私に遠慮しなくていいわ」 朝倉さんは一瞬ポカンとしたが、すぐに厳しい視線を私に向けた。 「あなたそれ真面目にそう思ってる?」 「ええ」 私がそう答えるなり、弾くような勢いで朝倉さんは私の手を振りほどくと、睨みつけてきた。 「冗談じゃないわ。そんな簡単に諦めるなんてわたしは許さないから」 「え……」 「あなた、キョン君の気持ち考えてる? 誰もあなたのことを覚えていない、あなたに関する情報が全て消えている 絶望的な状況の中で、この二年間、ずっと大事に大事に守ってきたあなたへの気持ちを。 それなのに、あなたがそんな気持ちでいるんじゃキョン君が可哀相よ。 あなたは何が何でも記憶を取り戻さないといけないの。キョン君の気持ちに応えてあげないといけないのよ。 そういう風に思えないのなら、今度こそ完全に消えちゃってよ。できればキョン君の辛い記憶も一緒に消してあげて。 最初から諦めてダメだった時のことを考えてどうするのよ」 朝倉さんは真剣な目で私を見つめている。彼を愛するがゆえに、報われなくても彼の幸せを願っている朝倉さん。 それにひきかえ私はどうなんだろう。最初から一歩ひいてる。どうすればうまくいくかを考える前に、うまくいかなかった 時のことなんか考えて。 「……そうね。ごめんなさい。私が悪かったわ。記憶が戻るように頑張ってみる。もし、戻らなくても彼を信じてついて いけばいいのよね」 そう、記憶が戻るに越したことはないが、戻らないからといって彼を諦める必要は無い。 「そうよ、佐々木さん。わたしもできる限り応援するから頑張ってね。 あ、わたしが応援するのは、もちろんキョン君のためにだけどね」 朝倉さんの笑みがまた淋しげになった。 彼が起き出してきた時には、私達は朝食の準備をほぼ整えていた。 朝倉さんの料理の腕は大したものだ。昨夜もそうだったが、とても宇宙人とは思えない手際の良さで、次々と 魔法のように作られていく。私も手伝ったが、お世辞にも手際が良いとは言えない出来だった。 「佐々木さんにも手伝ってもらったのよ。どれが彼女の作品か分かる?」 「うーん、どれも見た目では朝倉のと区別がつかんな」 そんなに朝倉さん作の朝食を味わっているんだろうか。何も無いと言われても、どうしてもまた疑ってしまう。 彼は次々とおかずに箸をつけていく。そして、玉子焼きを頬張った瞬間に彼の顔色が変わった。素早い動作で もう一切れの玉子焼きを食べてから彼は私に顔を向けた。 「この玉子焼きは佐々木の味付けだな」 「うふふ、さすがね。正解よ」 朝倉さんがにこにこして応じた。 「佐々木、お前は覚えていないだろうが、中学の時に弁当持参のイベントがあると毎回お前が弁当を作ってきて くれてな、いつも入っていたのがこの玉子焼きだったんだ。懐かしいぜ……」 彼が急に目頭を押さえたので、私は何か変な味をつけてしまったのかとドキドキした。 「ああ、すまん……いや、何というか、見た目や声だけじゃなくて、今のお前が昔のお前だって証拠が手に入った ような気がしたんだよ」 「あら、そうなんだ。良かったじゃない」 朝倉さんはまたにこにこしているが、何となく淋しそうに見えるのは、朝の一件があったせいでそう見えるのだろうか。 いや、恐らくはこうして証拠を見つけるたびに、そして私の記憶が戻るたびに朝倉さんは辛い思いをするのだろう。 朝食が終わると彼は着替えと今日の講義の準備があると言って、一人で自分のアパートに戻って行った。 二人とも大学に行くので同じ電車に乗る約束をしている。いつもそうしているそうだ。一人でいても仕方がないので、 私も一緒についていって待つことになっている。歯を磨いた私は、後片付けを手伝おうとキッチンを覗いた。 朝倉さんが玉子焼きが載っていた皿を手にしてじっと見つめている。私が傍にいるのにも気付かない様子で、 唇をぎゅっと噛みしめて。私にああは言ったが、やはり割り切れないのだろう。 彼のこと、そして私も覚えていない彼と私の時間。 「朝倉さん、洗い物は私がしましょうか?」 私が声をかけると、朝倉さんは飛び上がらんばかりにびくっと反応した。 「え? あ、ああ、いいのよ。わたしがやるわ」 慌てて皿を洗い桶に入れる朝倉さん。皿がぶつかり合って派手な音を立てる。 自分がやると言ったのに、朝倉さんの手は止まっていた。 「朝倉さん、やっぱり彼のことを?」 「ごめんね。あんなこと言ったけど、そう簡単には諦められないわ」 暗い表情で俯く朝倉さんを見て、ここにいつまでも世話になるわけにはいかないなと私は思った。 これ以上私がここにいると朝倉さんはもっともっと辛い思いをするだろう。 今日上京して来る長門さんや古泉さん達にも相談し、なるべく早くこの家を出よう。 私はキャンパスのベンチに座って、二人が講義を終えて出てくるのを待っていた。 五月もそろそろ終わりで、陽射しは既に夏の色を帯びているのだが、幸い今日は薄曇で気温も高くない。 行き交う学生達を眺めながら、もし私がそのまま彼と一緒にいたら、今頃は学生としてこのキャンパスにいたかもしれない などと想像してみたりする。 私の服は朝倉さんが貸してくれたものだ。サイズがちょっと大きかったが、情報操作でフィットするように直してくれた。 こういう時には便利な能力だ。私が着ていた服は二年前の流行のものだから、こういうところで着て歩くには気が引けるし、 彼が買ってくれたものはいわゆる部屋着の類なので、今日の午後にまた買出しに行く約束だった。 お茶のペットボトルを傍らに置き、彼が貸してくれた文庫本を開いていると、何度も声をかけられた。ジャニーズ気取りだが どうみてもお笑い芸人にしか見えない人達にナンパされたり、怪しい宗教勧誘に声をかけられたり、妙なバイトの話を持ち かけられたり。どれも撃退するのは簡単だったが、いろんな人がいて大学というのは面白いところだ。 そういえば、これから私はどうすればいいんだろう。両親が私のことを覚えていてくれれば家に帰ることもできるだろうが、 彼の話を聞く限りそれは難しいようだ。私は存在しないことになっているのだから。できればどこかの高校に編入あるいは 高卒認定をとって大学に入りたい。敷居は高いが、ここに入れればベストだろう。彼と同じ大学に通えたらいい。 あ、私は二年後輩になるのか。生まれたのは18年前だけど、実年齢は16歳だから。 いや、もっと大切なことを忘れていた。私はどうやって生活費、そして学費を稼げばいいんだろう。 存在しないはずの人間がつける仕事など高が知れている。彼に全面的に頼るわけにもいかない。 彼も学生だから学業が本分なのだ。これ以上迷惑をかけるわけにもいかないだろう。 自分がいかに無力でちっぽけかを思い知らされる。体一つで異世界に放り出されたようなものだ。 幸い頼れる人達がいるだけマシだけど。 文庫本はさっきから全然ページが進んでいなかった。私は小さく溜息をつく。ああ、いけない、暇そうにしていると 声をかけられてしまうから、文庫本に集中しているふりをしていろと言われていたのだっけ。 「すまん、待たせたな」 彼の声がしたので私は顔を上げた。彼の隣に朝倉さんが寄り添うように立っている。同じ講義だと言っていたから 一緒にいるのは当然なのだろうが、並んでいる姿はとてもお似合いだ。教室でも並んで講義を受けていたのだろうと 思うと、ちょっと妬けてしまう。 お昼は学校の近くの定食屋に連れて行ってもらった。学生風の男女で溢れかえっている店は賑やかだ。 おすすめのものを教えてもらい注文するとすぐに出てきた。値段と量と出てくる早さが命で、味は二の次なのだと彼が言う。 それでも十分においしかったが、小食の私は結構残してしまった。すると残ったものを彼が食べてしまう。 私が唖然としていると、 「いや、すまんすまん、つい昔の癖でな」 中学の頃、給食で私が食べきれない分をいつも彼にあげていたのだそうだ。 朝倉さんの方をちらっと伺うと、また淋しそうな顔をしている。 「お、キョン、珍しいな。今日は奥さん以外に連れがいるのかよ」 レジに並んでいると彼と同じくらいの年恰好の男子学生が声をかけてきた。『奥さん』というのは朝倉さんのことだ。 事情が事情だけに仕方ないのだろうが、いつも朝倉さんと一緒にいるから夫婦呼ばわりされるのだろう。 「ああ、ちょっと知り合いの娘さんに大学を案内しているんだよ。この子は試験休みなんだ」 彼は適当な話をして誤魔化す。 「へえ、奥さん以外にもこんなに可愛い子が知り合いにいるなんて羨ましいぜ。お嬢さん、是非ウチに来て下さいよ」 男子学生は軽口を叩いて店の奥に行ってしまった。 店を出ると今度は眼鏡をかけた女子学生が声をかけてくる。 「涼子、寝坊でもしたの? お昼が外食なんて珍しいじゃない。いつも愛妻弁当なのに」 朝倉さんがうろたえた表情で口をパクパクしているのをニヤニヤしながら見ていた女子学生はそこで私に気付いた。 「あ、お連れさんがいたのね。こりゃ失礼。じゃあね~♪」 なるほど、普段は朝倉さんと二人仲良く彼女が作ったお弁当を食べているのだと把握した。 何でこうもモヤモヤした気分になるのだろう。自分では分かっているつもりだったのに、いざ彼と朝倉さんが仲良く している証拠を見せつけられると不安になってしまう。 「おーい、佐々木、待てよ」 待ってあげない。私はキャンパスの通路をずんずんと歩いて行く。どうせ私なんかあなたの相手に相応しくないんだ。 朝倉さんみたいに細やかな神経を持った尽くすタイプがお似合いじゃないの? 「おい、何を拗ねてんだ。ガキじゃあるまいし」 「どうせガキですよーだ。私はまだ十六なんだから」 「あ……そうか、すまんすまん、今のお前はまだ高二だったんだよな。すっかり同級生のつもりでいたぜ」 彼は照れ隠しに頭を掻いた。なるほど、そういうことか。彼は私を同い年として扱い、私は彼を年上の男性として 意識していたのだ。彼の遠慮のなさは同級生の気の置けない相手に対するそれだったのか。私はそれを子供扱いだと 思い込んでいたようだ。でも、どっちが正しいのだろう。今でも違和感があるのに、記憶が戻ったときのことを考えると頭が痛い。 「ここで待ってろよ。次の講義は大教室なんで出席とったらすぐに出てくるから」 彼はそう言い残してまた朝倉さんと一緒に教室棟に入って行く。以前は部外者も入れたのだが、最近いろいろ物騒なので 教職員と学生以外を入れないために入口でカードを通すようになったのだそうだ。 大教室での講義も出席はカードでとるのでカードリーダーに通したら出てきてしまっても出席扱いになるのだと彼は言った。 大学生なので講義を受けないことによるリスクは自分でヘッジしろということだろう。朝倉さんのことだから講義の内容は 後でも分かるよう何か細工をしているだろうし。 私はまたベンチで文庫本を読んでいるふりをする作業に戻った。 「失礼ですがお一人ですか?」 また声をかけられた。正直鬱陶しい。ちらっと上目遣いで見ると、ホストみたいな恰好の人だ。 この手のナルシストじみた人は気持ち悪くて嫌いだ。無視しているとさらにしつこく話しかけてくる。 この大学にもこんな変なのがいるとは思わなかった。 「しつこいですよ。私は待ち合わせしてるだけですから、あなたとお話しする気はありません」 「へえ、待ち合わせ? もしかして相手も女の子かな?」 馴れ馴れしいのも嫌いだ。無視しているとホストみたいな人は携帯で誰かと話している。数分後、ホストの数が 三人に増えた。 「キミ高校生でしょ。こんなところで遊んでていいのかなー」 「ヒマならお兄さんたちといいことして遊ばないかい?」 「キミみたいな美人が一人淋しく待ち合わせなんて似合わないよ」 もう鬱陶しいを通り越してウザい。腕に触れようとして伸ばされた手を叩くと、一人が怒り出した。 「ガキのくせにお高くとまってるんじゃねーよ!」 私はチラッと喚いているホストまがいの方を見て、また文庫本に目を落とした。次の瞬間、強引に手を引っ張られる。 「きゃっ」 私は振りほどこうとしたが、力では全然かなわない。怖くて声も出ない。 「あなた達、わたしの可愛い後輩に何しているのかしら?」 背後で朝倉さんの氷のような声が聞こえた。 「おい、あれ政経の朝倉涼子だぜ」 「すげー、美女二人まとめてゲットだぜ」 ホストまがい達のヒソヒソ声が私の頭上で聞こえる。私たちはポケモン扱い? 「あのー朝倉さん、せっかくなので俺達につき合ってくれませんかね」 無謀な発言が飛ぶ。無知ゆえの傲慢とは良くも言ったものだ。 私は腕をつかまれたまま必死に首を回して朝倉さんの方を見る。 朝倉さんは哀れむような微笑をたたえてこちらを見ていた。圧倒的な実力差を認識している者の余裕の微笑みだろう。 「その子を離してくださる? わたしとしては穏便に済ませたいのだけど」 「その前に是非俺達と一度つき合ってもらえませんかね?」 「うん、それ無理♪」 朝倉さんが明るい口調でそう応じ、愛らしい笑顔を浮かべると、周囲の様子が一変した。 薄曇の空は極彩色が渦巻く天井に変わり、四方にもいつの間にか壁が出来ている。 「うわっ、何だこれ?」 「マジかよ」 ホストまがい達がうろたえた様子で喚きたてる。 「おい、体が動かねえぞ?」 それはお気の毒に。私は動けるので、彼らの手の中から簡単に抜け出した。 「佐々木さん、今のうちにこっちへ来て」 言われなくてもそうする。私が彼女の背後に駆け込むと、朝倉さん手の中に光の粒が集まり、昨日見た アーミーナイフが構成されていく。朝倉さんはふふっと笑うと、宙に浮き上がり三人の方へ飛んで行く。 物理法則って何それ状態の光景を見て本当にこの人は人間じゃないんだなと私はのんびり考えていた。 「うわーっ」「ひいいい」「やめろー」 彼らの悲鳴が上がる。朝倉さんが戻ってくると、動けない彼らのズボンがずり下がっていた。 いえ、正確にはズボンとその下にはいていたものもずり下がっていたわけで…… 「あらあら、レディーの前でご開帳なんてはしたないわよ」 「ひいいい」「やめろー」「化け物だー」 「失礼ね。わたしは化け物なんかじゃないわよ。さて、次はどうして欲しいか教えてくれる? 二度と悪さできない ようにその股間の矮小で不快なものを切断してあげましょうか? それともすっぱり頚動脈を切って楽にして あげましょうか? ねえ、死ぬのって怖い?」 朝倉さんは楽しそうに彼らに話しかける。この人は間違いなくサディストだ。宇宙人にも特殊な性的趣味を持つ 個体がいるということなのだろうか。 「ひいいい」「たすけてくれー」「ママー」 何か変な叫び声が聞こえたが気持ち悪いので聞かなかったことにする。朝倉さんは再び宙に浮き上がると 彼らの周囲を二周ばかり回って戻って来た。彼らの服の背中がばっさりと切り開かれる。 「今度やったらそのラインから胴体を真っ二つにしてあげる♪ あ、記憶操作するから忘れちゃうわね。ま、いいか」 音符までつけて言う内容ではないと思うが、次の瞬間周囲の風景がきらきらと光る粒に変換され、その眩しさに 思わず私は目を閉じた。 眩しさが消えたので目を開けると周囲は元のキャンパスに戻っていた。 唯一違うのは目の前に下半身を露出し、失禁して気絶している先程の三人が転がっていたことだ。 すぐに女性の悲鳴が上がり、野次馬が集まって来る。 朝倉さんは何事も無かったかのように澄ました顔で私の手を取ると、 「行きましょ」 とだけ言って教室棟の方へ歩き出した。 「おいおい、こりゃ何の騒ぎだ?」 教室棟の入口で出てきた彼と鉢合わせる。 「佐々木さんをナンパして連れ去ろうとした身の程知らずが三名ほどいたので、ちょっとお仕置きしたのよ」 「あーお前またやったのか。長門からお咎めがあっても知らないぞ」 「佐々木さんを守るためには仕方がなかったのよ。申請も通ったし問題ないわ。まあ、むしゃくしゃしてたから 少々遊ばせてもらったけどね」 「お前なあ……」 彼は呆れ顔になっていたが、不意に朝倉さんの耳元に口を寄せると何事か囁き、朝倉さんの顔が真っ赤になる。 後で何を言われたか訊いてみたのだが、朝倉さんは恥ずかしいからと、どうしても教えてくれなかった。 私達は服の買出しに行くために、校門前のバス停に向かっている。 安心したら急に怖くなった私は彼の腕にずっとしがみついていた。 「あいつらは多分付属から上がってきた連中だな。まともな奴も多いが、どんなバカでもエスカレーターで 入学だけはできて、しかも金持ちのボンボンが多いからどうしようもないのもいるんだ。 だがな、佐々木、女の子一人で野郎三人に喧嘩を売るなんて無謀にも程があるぞ」 「ごめんなさい」 彼の言うとおり、相手を挑発したのは私だ。人を見る目が甘いといわれたら返す言葉がない。 「でもキョン君、彼女を一人でいさせた私達にも責任があるわ。たまたま私が良いタイミングで戻ったから 良かったけど。これから彼女の安全を確保しないといけないと思うわ」 彼は朝倉さんの発言に頷く。 「そのとおりだが、恐らくそれは古泉の仕事だな」 三人で駅ビルやらデパートやらをはしごして私の服を買い揃える。 お金は朝倉さんが出してくれた。出所は訊かないほうが良いだろう。 高校生が普段着るのに良さそうな服が大部分だが、ちょと背伸びしたのも一揃い買った。 それに下着やら小物類やらも併せて買ったので結構な荷物になった。最後にアクセサリー売り場に寄る。 彼が高校生がしていても問題ない程度のリングを買ってくれた。 「それをつけてりゃ特殊な趣味の奴はともかく良識ある奴は寄って来ないだろうからな」 彼は冗談めかして言ったが、左の薬指に指輪をしててもいいんだろうか。 「いいなあ、佐々木さん。ねえ、キョン君、わたしもリング欲しいんだけど」 朝倉さんが甘えた声で彼に言う。 「買ってやらないことはないが、お前絶対それつけて大学に来るだろ。これ以上誤解されるのは俺が耐えられんぞ」 「もう、意地悪なんだから」 朝倉さんは冗談めかしているが、本心なんだろうな。 44-99「―佐々木さんの消滅―」 44-99「―佐々木さんの消滅―ep.00 プロローグ」 44-101「―佐々木さんの消滅―ep.01 消失」 44-120「―佐々木さんの消滅―ep.02 訣別」 44-134「―佐々木さんの消滅―ep.03 二年前の少女」 44-157「―佐々木さんの消滅―ep.04 彼女の想い」 44-182「―佐々木さんの消滅―ep.05 特異点」 44-235「―佐々木さんの消滅―ep.06 二人だけの記憶」 .
https://w.atwiki.jp/akb44/pages/1626.html
佐々木綾美をお気に入りに追加 佐々木綾美とは 佐々木綾美の38%は不思議で出来ています。佐々木綾美の33%は微妙さで出来ています。佐々木綾美の22%は勇気で出来ています。佐々木綾美の7%はビタミンで出来ています。 佐々木綾美@ウィキペディア 佐々木綾美 佐々木綾美の報道 世界の架け橋を描く「ILU GRACE(アイルグレイス)」が作り上げる音楽イベント『Imagination』開催! - Newsweekjapan 石巻くじら絵画コンクール 小中学生253人が応募 きょう展示開始 - 河北新報オンライン 佐々木綾美をキャッシュ サイト名 URL 佐々木綾美の掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る 佐々木綾美のリンク #blogsearch2 ページ先頭へ 佐々木綾美 このページについて このページは佐々木綾美のインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新される佐々木綾美に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。